(徳島県池田町漆川)
黒沢湿原は、珍しい湿原植物や食虫植物の宝庫。標高550mで、幅100〜300m、南北に約2kmあり、ワカメの葉を広げたような形をしている。県天然記念物のサギソウをはじめ、初夏から秋まで、さまざまな草花が楽しめる。
初めてこの湿原の存在を知ったのは、10年ほど前に近くを通ったとき、「黒沢湿原を守ろう!」とあちこちに立てられた看板だった。当時は訪れる機会がなかったので、整備される以前の湿原は知らない。地元の人に「乗用車で行ける所じゃない、軽トラかジープで行きな」と言われたので。
現在はアクセス道も整備され、湿原には遊歩道もあり、ゆっくりと楽しめる。
湿原の中を遊歩道が延びる。訪れる人は皆、マナーが良いのだろう、ゴミや落書きは1つも見当たらなかった。とても気持ちがいい。 |
黒沢湿原では、さまざまな植物が自生している。とはいえ、自生のものは減少傾向にあり、サギソウなどは、毎年近隣の小学生たちが移植を行うなど、保存に努めている。
四季を彩る黒沢の妖精たち(黒沢湿原看板より抜粋) | |
5月 | フデリンドウ(リンドウ科)、ニオイタチツボスミレ(スミレ科) |
6月 | イシモチソウ(モウセンゴケ科)、トキソウ・シロバナトキソウ(ラン科) |
7月 | モウセンゴケ(モウセンゴケ科)、ヒツジグサ(スイレン科)、カキラン(ラン科) |
8月 | ミミカキグサ・タヌキモ(タヌキモ科)、サギソウ・ミズトンボ(ラン科) |
9月 | キセルアザミ・タムラソウ・スイラン(キク科)、オミナエシ(オミナエシ科) |
10月 | リンドウ・ホソバリンドウ・センブリ・イヌセンブリ(リンドウ科) |
11月 | キクバヤマボクチ(キク科)、オオミズゴケ(こけ類・ミズゴケ科) |
湿原の植物。(2000年7月5日撮影) 残念ながらトキソウは終わっていた・・・。 ☆8月にはきっとサギソウの写真を撮ってきますね! |
◇サギソウ
黒沢湿原を代表する花、サギソウ。可憐な美しい姿は、こちらでご覧ください。
草花の観察以外にも楽しみはある。なにより静かで広い空間が嬉しいではありませんか。
野鳥観察小屋 小高い場所、木立の中に大きな窓のついた小屋がある。静かに野鳥の訪れを待つ。風の音・虫の声しか聞こえない、至福のひととき。 |
黒沢湿原のいちばん奥に滝があります。多くの人は遊歩道の中ほどで折り返すコースをとり、ここまで訪れる人は少ないようです。湿原の水は地下を通り、せせらぎとなり、やがて滝となって流れ落ちるのです。 周りに誰もいなくなった遊歩道に無粋な注意書き。なんだぃと思って見ると「マムシに注意!」 標示どおりに進むと、やがて滝に到着。水の音を聞きながら急な階段を降りると、いきなり滝が見えます。穴場にたどり着いたヨロコビ。水はきれいで、涼しい。 |
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車・バイク以外に交通手段はありません。最寄りのバス停から徒歩60分(!)ですから。ヒッチハイクも望みはないでしょう。
整備されたとはいえ、かなり狭い曲がりくねった山道です。しかも「落石注意!」です。おまけに、今回の道中では、タヌキと猿が道を横切りました。
・・・ちょいと脅してしまいましたが、ちゃんと標示も出ていますので、迷わず行けます。方向音痴の私ですら行けるのですから。ご安心を。
1時間ほどでひととおり散策できます(折り返しコース)。滝を見たい人、野鳥観察小屋に陣取りたい人は、もっと時間に余裕を持ってどうぞ。
茶店があります。しかし平日には閉まっている(?)。でも、自然を楽しむ場所であって、人工的な行楽地ではありませんから、これでいいんです。トイレ・休憩所があります。
そして、訪れる方にお願い。ゴミは各自で持ち帰って下さい。決して汚さないで! 落書きなんて論外です! 植物採集もダメですよっ。(そういう人は、そもそもここへ来ようとは思わないでしょうけど、ね。)
黒沢湿原・資料 | |
入場料 | 無料 |
休日 | 無休 |
交通 | 徳島自動車道・井川池田ICから車で40〜45分 |
駐車場 | 約30台 |
問合せ | 池田町役場産業観光課・商工観光係 |
(2000年7月記述)
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